夜空の鳥の日記

時にそこはかとなく、時につらつらと

外食よりゲストよりホスト

人と会う時は、自宅に招いて自らホストになるのが一番気が楽じゃないかという話。

小さな我が家へようこそ、なイベントが再び到来。ゲストは家族の友達であり、私の友達ではありません。あなたの友達=私の友達という素敵な方程式はここには存在しません。そして今回はお店には行かず、終日我が家のみで過ごすフルもてなしでした。そのため、お酒やお菓子を大量に買い込み、料理も全てお手製のものを用意することとなりましたが、そのように自分がホスト側になったことが、結果的に私にとっては良かったのです。

何が良かったのかというと、まず、飲み物と料理の用意や済んだ器を下げたりなどで席を立つことが多いため、自分はあまり食べなくてもいいこと。食べられる量が加齢とともに本当に減ってきているため、外での人との食事は胃袋のペースも追いつかず量も多すぎる、かと言って嫌とも言えず無理して食べざるを得ず、苦痛を通り越して拷問になりつつあるからです。食べ物を残すのはやりたくないことだけど、自分のお腹を壊してまで食べるのがはたして正しいのでしょうか。

次に、先述のように席を立って動くことが多いので、話の合わない人と同じテーブルに座り続ける時間が減り、居心地の悪い思いをしなくてすむこと。皆様にとっては楽しい内輪ネタお話も私にとってはハイパー部外者タイムですのよ。かと言って無理やり私に話題を振られるのも、どっちにしても嫌。無意味な質問はもうたくさん。煙のように消えたくてたまらなくなります。

そして、場所が勝手知ったる自宅なので、いつでも行きたい時にすぐにトイレに行けること。これはとても重要なことです。私が自宅以外で過ごす時に最も心配なのがトイレだからです。トイレの心配が軽減されるだけでどれほど安心して過ごせることでしょう。

無論、メリットだけではありません。デメリットとして、まずお酒に飲み物、お菓子、料理の食材などのもてなし用の出費がかなりの額になったこと。沢山食べる人もしこたま飲む人もいるので、足らなくなるよりはマシと思い色々多めに用意したら、何人の諭吉が去ったことでしょう。

そして何より、飲み物や料理のおかわりをうかがうタイミングが非常に難しかったこと。器は空になっているけど、ゲストらの会話が途切れないので、「◯◯さん、お茶のおかわりいかがですか?」という一言さえはさみ込める余地がありませんでした。ただでさえ私は小心者の極致なので、自ら声をかけるのがたいへん苦手です。たとえ、このおかわりのように私自ら声をかけるべき場面だとしても、まだ話し中なのに割り込むなんてことはおこがましくてとても出来ず、とうとうゲストの一人にお茶くださいと言わせてしまいました。憐れなキングオブヘタレチキン。

それでも、デメリットになった部分に比べたら、メリットになった部分は私にとっては大いに助かるものが多かったのです。正直、自分が快適になれるなら諭吉が何人旅立とうと惜しくはありませんでした。誰かと過ごすにしても、もう自分を犠牲にしたくありません。そのような自分本位の考えに則っていいのなら、自分がホストとなって自宅に招待するのが、人との楽しいひと時を共にするための最適な選択と考えてもいいのかも知れないのです。