夜空の鳥の日記

時にそこはかとなく、時につらつらと

野に下る②

 陳平の策により、項羽は亜父范増が劉邦と通じていると疑い、前線や軍議から遠ざけてしまう。范増は、項羽の縁者らが実績のある自分を邪魔に思っていると考え、項羽のもとで自分に出来ることはもうないと見切りをつけ、故郷居巣に去ってしまう。それが陳平の罠だとは気づかず…

もしかして、私が仕事から遠ざけられ、結局退職に追い込まれたのは、誰かの反間の計だったのではと考えることがあります。私は、昨日書いた上司の職場で、ある日突然勤務時間を削られたり、あり得ないほど出勤日を減らされる、などという扱いを受けるようになりました。予め言っておきますが、仕事自体が無かったわけでは決してありません。出勤しても、目の前に私のやるべき仕事が明らかにあるのに帰らされる、なんてことが何度もありましたから。

どうしてこんなことになったのか。あまりの過小要求は日増しに強まり、いよいよ耐えられなくなって、辞めたのでした。ここは私のいる場所じゃないと。ここにいては何事も成せないし、自分の力も発揮できないと。言うまでもなく、退職理由には、昨日も書いた上司の身勝手ぶりも含まれています。でも、それまでは、こいつはこの程度の人ってわけだから…と、まだ受け流すことが出来たんです。過小要求が起こるまでは。

そんな時に、『項羽と劉邦』の范増の話を思い出しました。邪魔者を排除しようとするのは、昔も今も同じかなと。何者かが本当に私を邪魔者としていたのかは知りません。でもいずれにしろ、私は去りました。そう進むように、物事が動いたんです。ふさわしくない場所で虚しく腐れ果てようなどと、誰が好き好んでするものですか。