心当たりの無い訪問者ばかりが玄関のインターホンを鳴らし、ほとほと手を焼いています。突然家に来て何かを売りつけようとしたり契約させようとする輩です。そういう人らに限って外面だけは良いから余計にタチが悪いです。いかにも人の良さそうな顔をして、こちらの油断を誘おうって魂胆なのでしょう。どんなに愛想よく振る舞っても心が伴わなければ、その笑顔が真実かどうかは自ずと明らかになりますよ。
急に人の家に来て私の生活を強制遮断したあげく、「玄関先までお願いしまぁーす(^^♪)」ですって。 表に出ろと? 人の時間を奪っておきながら、何様のつもりかしら。否。駄目です。嫌です。これ以上話を聞く気はない。とっとと帰って二度と来ないで。邪魔をしないで…などとあらゆる拒絶の言葉が思い浮かびます。でも、こんなふうに思っていることをそのまま言ったら、もしか逆ギレされて車や壁に傷をつけられたりするかも知れない。そんなことになったらもっと困るしこわいので、「いりません」「お断りです」「帰ってください」とだけ毅然と言い切るのが最も間違いが少なそうです。
そもそも私はコミュ障で臆病者なので、色々と撃退台詞を考えても、いざこういう人が現れると手も足も出ず声も震えて、頭の中も真っ白になってしまいます。たとえインターホン越しでも恐怖におののかずにはいられません。私は泰然自若からは程遠い人間なのです。
ですが私が聞きましたところによりますと、人はプレッシャーを感じたりストレスを受けると、思考が停止してしまう場合があるのだそうです。これ以上自分が傷つくのを防ごうと、つまり身を守ろうとしてあえて脳の働きを鈍くするといいます。だから私のこのような反応は、自分で自分を守ろうとするために起こった本能的なものと考えていいみたいです。それならば、いざという時に萎縮して何も言えなくなってしまうことも、恥じる必要はなさそうなのです。
とはいえ、とにかく今は、歓迎しない訪問者に対して「いらないので帰ってください」という一言だけはハッキリキッパリと言えるようになりたいです。正直、郵便や宅配以外は居留守を使いたいところですけれど、応答してみたらそれなりに放っといちゃいけない要件だったってパターンも何度かありましたので、全て居留守にするのは得策ではないのです。近所に引っ越して来ましたって人とか、塀に車ぶつけちゃったんですって人とかね。ここは私の家です。私が守らなければならない、大事な場所なのですから。