夜空の鳥の日記

時にそこはかとなく、時につらつらと

『尊敬するからこそ、適度な距離感が大切なのですね』

 真・三國無双8の楽進の台詞。三國無双の台詞語録もおもしろいかも知れない。

 我が家に来るのは構わないと確かに私は言った。人様のお宅にお邪魔するのは嫌だし、他人とお泊りに行くなんて以ての外だからと。あなた達からの誘いを私が断らなかったのも事実。でもそれは、私を好いてくれる人を袖にする理由も見当たらなかった、ただそれだけのことだ。

 しかし、いきなり二晩も泊まるというのはどういう了見だろう。我が家に泊まりたい理由も、「夜飲んで酔い潰れた状態でホテルに帰るのが面倒だから」。はい? 身勝手にも程があるのでは? しかも初日の昼前からやって来てお昼ごはんまで一緒に食べようと言う。この日の夜に早速我が家でたらふく食って飲むつもりなのに? 私の時間を二日いや三日間も奪いながら、食事の自由まで拘束しようというのか。結局初日の昼から三日目の暗くなるまで付き合わされ、家での食事、お店や行き先の選択は全部私が面倒見てやった。もし私が車を運転できたら三日間お抱え運転手にされたに違いない。ほぼ三日も共に過ごすのはいくら何でも急ぎ過ぎだ。やはりあなたは自分が楽しければそれでいい、人の都合や気持ちを考えない、その程度の人だった。 

 たまに会って、一日のうちの数時間だけでもお茶やお酒を片手に話せたら、それだけでよかった。それくらいの仲がちょうどよかったのだ。ちょっと会って仲良くなれそうかなと思って、そこから急速に踏み込ませ過ぎてしまったのがいけなかったのだ。知らないままの方がよかったプライベートな一面が見えてしまって、一気に気持ちが冷めてしまったのだ。

 莫逆の友、金蘭の友、断金の交わり…様々な表現があるが、何にせよ気の置けない友達というのは得難い存在だろう。けれど、そのような間柄だからといって何をしても許されるということにはならない。もう私にとって彼らはそのような友達というものとはかけ離れた存在となってしまったが、この楽進さんが言うように、信頼し尊敬し合える関係だからこそ、適度な距離感が必要なのではないだろうか。